〇双葉の園の制作
★絵を描くことや創造的な行為は教えることができるでしょうか?
教えられる事柄 ・・・知識や技術は教えられます。
〇創造的な行為は教えられませんが、子どもが作り上げたものを見て担当が賛同の意を表すと(上手なことを褒めるわけではなく、その見方が面白いとか、形の使い方が効果的だとか、アイデアが素晴らしい…とか具体的に認めてあげたいものです。)納得し、創造的な見方を学んでくれることもあります。子どもはただ上手だと褒められてもその言葉には、自分の作品に対する大人の理解の不足を感じてしまうこともあります。子どもたちは、具体的に良いところを認めてもらうということがうれしいものです。
保育園の園児たちの作品は、上手下手で判断するものではありません。
大人の絵は上手な絵、品の良い絵、感動的な絵・・・という評価ができますが、
子どもの絵は、大人の絵とは全く違う見方で見なければ分かりません。
そしてわからないものに対してはどのような評価もすることはできません。
私は、子どもの絵を評価すること自体間違いだと思います。
〇制作の時間は、毎回テーマがありますが、それは何をすればよいのかわからない子たちのために、いろいろな造形の引き出しを増やしてもらうために行っています。
〇何を描くのかは子どもに任せていますので、子どもが自分で見つけ出さなくてはなりません。
それが創造的な行為です。
私たちにできることは、そのきっかけを作ってあげる事、様々な体験の機会を提供すること。
保育園は多くの人のいる場所ですから様々な体験をする機会は常にあります。しかし時には非日常の世界、夢の国も重要です。7歳までは夢の中・・・に住んでいてほしいものです。
絵本にはこの空想力を開くカギがあります。
・紙に向かってすぐに自分の描きたいものが描ける子はあまり多くはありません。描くものが何も浮かばないことのほうが多いものです。そういう時にはただ丸や四角、三角を描いてみます。そのうちに〇が木の葉になったり四角がお家になり、三角が船になったり恐竜になったりしてきます。絵や造形は、簡単な遊び、落書きから出発することもあります。遊びと造形は分けては考えられません。双葉の園が遊びを大事にする由縁です。勿論遊びに夢中になっている場合には、遊びを優先してもらいます。制作は必ずしも参加しなくても良いものです。
4月の制作教室のことです。
初めての制作の時間でしたので、子どもたちは少し緊張し、失敗したくないという気持ちが表れていました。
しかし制作は、失敗しても良いのです。むしろ失敗しなければ面白いものは出てきません。
「間違ったら大変だ―と思うでしょ・・・でもそんなことは何でもありません。
間違って切りたくないほうを切っちゃったらどうしましょう?」 とたずねると
、すぐに「くっつける」 「糊でくっつける」と元気な声が聞こえてきます。
そうです。間違う事は誰でもあります。
間違えないようによく話を聞くことは大切ですが、たとえ間違えても工夫次第で、どうにでもなることを学んで
もらいたいものです。
どうしよう・・・失敗しないかな・・・なにからやったらいいのかな??? と
いうような心配をして、何も出来ないのはとてもかわいそうです。
子どもたちが何を考え何をしようとしていたのか、制作の過程、心の動きを感じてあげたい。
そして絵や造形活動には自由と自信が必要です。
他の人の評価や思惑などを気にする必要はありません。
絵や制作などの造形活動には、他の子と比較したり優劣をつけるべきではありません。
その子の成長の過程を見て共に喜んでいただきたいものです。
講師 西 大記 (画家、アントワープ王立美術アカデミー卒、第14回昭和会賞、第2回リキテックス・ビエンナーレ展・ビ二―&スミス賞、デヴィッド・テニールス記念展秀作賞、 第18回安田火災美術財団奨励賞展秀作賞、平成13年度文化庁派遣芸術家在外研修員、二紀会会員、双葉の園保育園園長)
共同制作 基本的には好きなものを描いて描き終わったら次の遊びに移ります。絵を描く事も楽しい遊びの一つです。
4歳児 お皿 (はじき絵)
4歳児 窓 開けたり閉めたりできる窓です。
4歳児 おさかな と言っても普通の魚ではありません。三角形の組合わせで作る魚ですから、面白いものが出来上がります。絵や工作は面白ければよいのです。
人形はなるべく普通の人を意識せずに面白い顔や形のものを選びます。時に猫や鳥などを作りたいという子が出てきますので、他の子も面白がっています。
竹で作った凧の枠に障子紙を貼ります。 水彩で色付けをしますが、基本的には一度で決めるという勇気が必要です。(何度も塗り直しをすると紙が破けます。)